[2014.07.16] 「マレーシア・トゥルーリー・アジア夏期学校」派遣学生候補決定!
[2014.10.27] 「マレーシア・トゥルーリー・アジア夏期学校」派遣学生レポート発表!
[2014.07.16] 「マレーシア・トゥルーリー・アジア夏期学校」派遣学生候補決定!
[2014.10.27] 「マレーシア・トゥルーリー・アジア夏期学校」派遣学生レポート発表!
「マレーシアとはどんな国か?」
この質問に答えられる人は少ない。実際友人に、マレーシアはどんな国か? という質問をされた。しかし私は日本とマレーシアのつながりは深いものであり、近年の海外旅行先でも上位になっていることを知っているにも関わらず、曖昧な答えしかできなかった。マレーシアに行った今でもふさわしい答えを導くことはできない。それほどマレーシアとは混沌としていて、マレー系・中国系・インド系など様々な異なる民族が生活をする多文化共生社会なのである。それを私は目で見て肌で感じた。その印象に残った体験や感じたことを綴ることとする。
まず、私がマレーシアについて興味を持ったきっかけは今年5月に行われたドクターマハティールと池上彰さんの対談に行った時のことだ。会場にはたくさんの日本人大学生とマレーシアからの留学生などが集まっていて、普段体験することのできないグローバルな雰囲気であった。その時に、マレーシアがかつて「ルックイースト政策」を行ったことや2020年に先進国入りを目指していることを知り、そしてドクターマハティールをはじめとするマレーシア人が日本経済について思う意見を聞くことができた。そして私は、マレーシアにどのように日本の技術が導入され、どの程度日本企業が進出して、マレーシアの経済はどのようになっているのか、マレーシア人は日本についてなにを思っているのか知りたいと思った。
また、地域経済という授業をとっていて、次の経済市場は「アジア」。日本が今後経済成長するためにはアジアを目で見て肌で感じ、現地のニーズにあった製品を作ることが重要であると学んだ。そしてそのときに「若いうちに東南アジアという経済成長の著しい国を見てきなさい」 と言われ、大学在学中に発展途上である東南アジアに行くという目標ができた。これらの出来事からマレーシア夏期学校に応募することとなった。
まず、クアラルンプール国際空港についたとき蒸し暑さを感じた。空港を歩いてみるとたくさんのショップが並び、その中には日本でも見かけるショップがあった。そのため、「なんら日本と変わらないじゃないか」というのが私のマレーシアについての第一印象であった。
しかし、バスに乗り込み学生寮までの道中、外を見てみるとたくさんのパームツリーが生えていて、家も平屋の家で、道端に屋台が出ていた。一番驚いたのは、建設現場がいたるところにあったことで、発展途上の現場をこの目で見ることができたことに感動した。
マレーシアにきてから、いくつも建設中のショッピングモールを見かけた。IUKLの近くにもマレーシア最大のショッピングモールができると聞いた。山を開き、ビルや商業施設を建設する光景を見て、パームツリーやゴムの木から得られるパーム油やゴム製品などの第一・第二産業中心の経済から、観光・サービス中心の第三産業へと移り変わっているのを目で確かめることができた。ちなみに、2012年の国土交通省国土政策局による推計では、第一産業 11.1% 第二産業36% 第三産業 53.3%である。 今後ますます第三次産業が成長すると考えられるので、マレーシアの商業施設について紹介したい。
マレーシアのショッピングモールは、高級ブランドショップが並ぶ観光客向けのものから、地元の人向けのイオンモールのようなものまで、たくさんある。そして、そのどちらも融合した「ミッドバレー」と呼ばれるビッグショッピングモールもある。ショッピングモールでは伊勢丹やイオン、ダイソーなどの日系企業の店舗も見ることができた。中でもイオンは日本と同様に地元の人に愛されている大型スーパーであり、日本のイオンモールと変わらないので親近感が湧いた。
私たちは1泊2日のホームステイに行った。ホームステイをした場所はバナナやマンゴーの木などが生い茂っている穏やかな村であった。ホームステイをするまで経済発展の著しい都会の部分のマレーシアを見てきたので、のんびりとした田舎な部分のマレーシアというのはとても新鮮であった。ホームステイでの体験は、なにもかもが刺激的で忘れることのできない思い出となった。その思い出をいくつか挙げる。
1つは、伝統的なマレーシアを体験できたことである。伝統菓子を作ったり、ココナッツの実や葉を使った遊びを教えてもらったり。泥の中に入り魚を捕まえたり、民族衣装を着て伝統楽器を演奏する体験までできた。中でも民族衣装や伝統楽器に触れたことが特に印象的だった。民族衣装はとても色鮮やかで、長袖にロングスカートなので熱さを感じ、この衣装を着て生活しているのはすごいなあと思った。また、伝統楽器は打楽器だけでありとても興味深かった。さまざまな打楽器があり、私は鉄琴のようなものに挑戦したが、それほど難しくなくとても楽しかった。
2つめは、マレーシアの家庭料理だ。ホストファミリーが初日に振る舞ってくれたのは、ビーフカレーと野菜炒めのようなものやドリアンカレーなど5,6種類のおかず。味は刺激的というよりじわじわとくるような辛さで、とても優しい味であった。そして、生まれて初めて手を使って食事をした。見まねでやってみるととても難しかったが、慣れてくると食べやすかった。
このような日本では体験できないマレーシアの伝統的な体験は、観光旅行でマレーシアにきても味わうことができないディープな体験だ。おかげでローカルなマレーシアが理解できた。
まず、IUKLにきてアフリカ・中央アジアからの留学生が多いことに驚いた。日本では見かけることも、話すこともなかなかできないシリアやリビア、スリランカなどの国から留学していてとても国際的な魅力を感じた。また学生たちは、とても気さくで休憩時間に話かけてくれ、さまざまな国の学生と交流することができた。建築学部のパーティーでは、学生たちが色鮮やかな民族衣装を着ていて、マレーシア料理を振る舞ってくれ、たくさんの学生と楽しく会話した。
また、仲良くなったITを学んでいる学生は、休日にはミッドバレーやKLCC、プトラジャヤに連れて行ってくれた。一緒に行った地元の人に人気のハンバーガー店では地元の人がどんな生活をしているのかを知ることができた。マレーシアについていろいろなことを教えてくれ、彼らのおかげでより深くマレーシアを理解することができた。
大学で印象に残った授業がある。マーケティングとバティック染めだ。マーケティングの授業ではマレーシアの国民性をよく知ることができた。例えば、マレーシアの人は「イエス」「ノー」をはっきりと言えないことや人に合わせてしまうことだ。私はこれを聞いて日本人と似ていると感じ、日本とマレーシアの共通性を感じた。また、バティックでは、布にロウのようなもので絵を描き、色付けをしていくのだが、2色の違う色をまぜグラデーションにしていく作業がとても楽しかった。絵を描くのに苦労したが、ベストバティックに選ばれてとてもうれしかった。
このような機会を与えてくださったマレーシア政府観光局の方々、マレーシアでお世話になったIUKLの方々・友人に感謝したい。そして、3週間異国の地で助け合い切磋琢磨できた仲間たちにも感謝したい。