参加学生レポート
ペナン春期学校を通じて
早稲田大学 政治経済学部 政治学科2年
伊藤 磨耶
<様々なことを吸収し、学ぶこと>
私は元々、漠然とヨーロッパやアメリカへ行ってみたいという憧れの気持ちだけはありましたが、去年の夏に初めて東南アジアのフィリピンへ約1か月間行って、町の活発さや現地の人の温かさ、日本とは違う生活様式などを体験して、アジアの他の国へも行ってみたいと思うようになりました。
大学のホームページでこの研修を知り応募しましたが、参加学生として選ばれるまでは、全くマレーシアについての知識はありませんでした。参加に先立ち自分なりに色々調べ、マレーシアの多様性に富んだ文化や、ASEANの中心として著しい成長を遂げていること、親日的な国民性などを知ることができて、実際の渡航を前にして益々、マレーシアに対して、興味を持つことができました。
そして、10日間という短い期間でしたが、普通の旅行ではなかなかできない現地の大学生との交流や企業訪問、ホームステイなどを経験することができ、様々なことを吸収し、学ぶことができました。
<ホスピタリティ精神あふれるペナンの人々>
まず、ペナンの人々について感じたことは、ホスピタリティ精神あふれる人ばかりだということです。ペナン教育観光センターの人はもちろん、それぞれの大学の先生や生徒、ホストファミリー、そして町中の人たちでさえもみな、フレンドリーで優しく接してくれました。
この研修の大半を占めていた現地の大学によるプログラムでは、世界遺産でもあるジョージタウンを案内してもらったり、グループワークを通して勉強したり、現地の学生とスポーツやボランティアに訪れたりしましたが、そこで出会ったすべての人が私たち日本人の学生を歓迎してくれていて、楽しませようとしてくれているのがとてもよくわかり、そのような人たちのおかげで、心からプログラムを楽しむことができました。
特に、同年代の様々なバックグラウンドを持った現地の学生と町へ出かけたり、スポーツしたりプールへ行ったりしながら交流することができたことがとてもいい経験になり、フェイスブックなどを通して、今でも繋がることができています。このようなネットワークを大切にしていけたらいいなと強く思っています。
<マレーシアの食文化>
マレーシアの食文化について感じたことは、マレーシアの特徴でもある多文化・多民族をよく表しているということです。
10日間を通して、レストランなどではなく、ローカルな屋台といった現地の人がたくさんいるようなところへ連れていってもらうことが多く、そこでは中華系からインド系そして、マレー系まで様々な種類の料理が並び、色々な味を楽しむことができました。また、ペナン島の食べ物として有名なチェンドルというかき氷やラクサ、ニョニャクイなども度々食べる機会があり、現地の人に連れていってもらったことで、よりディープな食事を楽しめたのではないかなと思う反面、やはりすぐに現地の味に対応するのは難しく、日本の食べ物が恋しくなることもありました。
その中でも私のお気に入りはホームステイをした際にホストマザーが出してくれた朝ごはんで、お花のお茶とロティチャナイ、お菓子でした。
<マレーシアの多文化・多民族について>
私たちは週末にホームステイをしました。そこには、現地の大学生もホームステイをするということで、一緒に同じ部屋で2日間過ごしました。中華系やムスリム、そしてマレー系の学生がいました。文化や生活様式が違う中でも、お互いを尊重し合っていました。また、町中でもリトルインディアやチャイナタウンなども存在して、しっかり共存しているのだなと感じました。
そして、ホームステイではみんなでヘナタトゥーをしてもらったり、民族衣装を着てパーティーに参加したりしました。そして夜には、現地の学生と様々な話をしました。笑いながらみんなで面白い話をしていましたが、時には真面目な話もしました。そこでは、色々な国籍の学生がいるなかで、過去に起こったお互いの国の戦争や植民地問題についても話し、日本についても言及されました。現代の若者がこのように過去の争いや宗教の違いも踏まえたうえで今のお互いの国の現状について話せるのは、とても良いことで学ぶことがたくさんあると感じるとともに、自分の国についてはもちろんのこと、もっと外国との関係性もしっかり勉強しなければいけないなとも感じました。
私は19年間ずっと日本で過ごしてきましたが、多民族国家というものに初めて触れて、マレーシアは日本の単一民族国家に比べてマイノリティーにも寛容で、たくさんの民族にとって過ごしやすい国だと感じました。日本は地理的にも島国ということで閉鎖しがちですが、これからもっと寛容性にあふれた国になればいいなと感じました。
<変わりゆく街>
私はこのプログラムが終わった後、何人かのメンバーとクアラルンプールへ行きました。
ペナン島とは違い、クアラルンプール市内はとても発展していて、もうすでに先進国入りしているのではないかと感じるくらいでした。特に、ペトロナスツインタワーは今までに見たことがないほどの存在感を出していました。また、交通の便もとてもよく、電車が安く乗れる上に、アクセスはとても良いと感じました。
一方、市郊外や、ペナン島は、不便に感じることもありましたが、アジア特有の雑踏がまだ残っていて、町には活気があり、人々もとても暖かく感じました。
これからどんどん発展していくのでしょうが、私はアジアの雑多さが好きなので、そのような雰囲気も残ってほしいなと思いました。
<終わりに>
このプログラムのメンバーはみんなとてもグローバルな人たちばかりで、私ももっとたくさん外国に行って、色んな世界を見たいと思いました。帰国してからもなお一層、在学中に長期間海外に行って、もっといろんなことが知りたいという気持ちが強くなりました。
同時に、英語の大切さも痛感しました。現地の人たちと話すときにうまく聞き取れないことや自分の言いたいことが思うように言えなかったりする場面が多々あり、やはり英語ができてはじめて満足にコミュニケーンが取れ、そこから吸収することが増え、色々なことが学べるのだと思いました。英語はこれから当たり前のものとして身につけなければいけないと、強く感じました。
今回、このような貴重な経験をさせてくださったマレーシア政府観光局のみなさま、現地で温かく迎えてくださったペナンのみなさま、そしてプログラムを通して出会った友人たち、ありがとうございました。
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