第4日(7月31日):環境事業を促進するスバンジャヤでの視察とハリラヤのオープンハウス

4日目、千葉県の一行は、セランゴール州スバンジャヤ市にあるタイラー大学の敷地内にあるホテルに滞在していることもあり、市が注力しているグリーン・ツーリズムや環境事業を見学した。スバンジャヤ市は「バイオマス(Biomass)」 という再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたものの利用促進を図っており、そのための実験場をまずは訪れた。

ここでは、枯葉や伐採によって出た枝葉や食べ物の残りなどをバイオマスとして有効利用し、ゴミを削減するための様々なプロジェクトを進めている。木材の残りチップにして酵素を加えたり、積んだ枯葉をミミズに食べさせて堆肥にしたり、魚や肉の残り物を貯めてバクテリアによってメタンガスを発生させて電力にしたり。生徒達はプロセスを熱心に見学していた。記念に1年で育つマンゴーの木を植樹。また、日本から来ているという「Bokasi(ぼかしという油かすや米ぬかなどを発酵させた肥料)」に土とブラウンシュガーをボール状に固めてつくるマッドボール作りを手伝った。これは、水をきれいにするバクテリアの餌として、河川に投入するのだという。

もう一つ、プチョン・ペラダナにあるアパートの住民による、有機農法のモデルケースとなった市民農園を見学。2×2mが1マスで、2013年にたった5マスから始まったのが今は30マスに広がり、グリーン・アンバサダーという有機農法を促進するエリアとして世界トップ10入りするのが目標だそう。

スバンジャヤの環境事業の視察の最後は、リサイクルのハンディクラフト実習。リボン状にカットされたビニールを編み込んで敷物を作るというもの。

さて、今回の千葉県高校生派遣事業の時期は、マレーシアではイスラム教徒にとって重要な「ラマダン」とよばれる1ヶ月にわたる断食明けにあたる。この時期、イスラム教徒であるマレー系の人々は「ハリラヤ」というお祭りで祝う。ご馳走が並ぶ「オープンハウス」というパーティに華やかな民族衣装でお洒落をして繰り出すのだ。一行は、スバンジャヤ市役所で開催される「ハリラヤ」の「オープンハウス」に招待され、歌や踊りのパフォーマンスを披露した。この「オープンハウス」で多くのマレーシアの人々の温かい笑顔に触れ、お互いに招待しあってご馳走をみんなで食べるというコミュニケーションに感動した生徒もいた。

まずは展示を見ながらバイオマスについての説明を聞く
バイオマスの有効利用について学ぶ。植樹はマッドボールづくりの体験も。
スバンジャヤ市の環境事業の担当者の皆さんと

市民農園を運営されている皆さんからも歓迎を受ける
コツを教えてもらって各自で編み込んでリサイクルの敷物を作ってみた
スバンジャヤの市役所の前で。このハリラヤで千葉県からの派遣高校生としてパフォーマンスを行なう。いざ出陣