第2日(7月29日):JICA表敬訪問、海外で活躍する日本人に刺激を受ける

2日目、まずJICA(独立行政法人 国際協力機構)のマレーシア事務所を表敬訪問。園山由香さんより、日本の国際協力機関として、開発途上国の経済・社会開発のために、途上国の関係者とともに課題解決に取り組むJICAの紹介やマレーシアでの活動、マレーシアと日本との関わりついてうかがう。13州からなるマレーシアは、マレー系、中国系、インド系、少数民族など多民族であること。2020年までに先進国入りを目指すことを国家スローガンにかかげていること。マレーシアから日本や韓国に青年技術者や留学生を派遣する東方政策が続いていること。マレーシアが多民族国家であることは、高校生の今回の派遣事業への応募動機の筆頭であり、東方政策のOBに今回の派遣事業をサポートしていただいていることから、園山さんのお話は身近な話として感じられたようだ。

また、大学新卒でJICAに入り働く園山さんに、海外で活躍する日本人として興味駸々。「なぜJICAに入ったのですか?」「どこの国で働くかどうやって決めるのですか?」から始まって、活発に質問が飛んだ。園山さんの話で、価値観が異なる他国の人と働く意義や難しさ、コミュニケーション力の必要性、納得してもらって仕事を進めることの重要性などに、一同は熱心に耳を傾けた。

マレー系、中国系、インド系に少数民族も加わる多民族国家のマレーシア。宗教も61%を占めるイスラム教をはじめ、仏教、ヒンズー教、キリスト教など多岐にわたる。クアラルンプールの市内でモスクを目にした高校生達が、JICA訪問の後、行政新首都であるプトラジャヤに向かう途中に立ち寄ったのが「バトゥ洞窟」というヒンズー教の聖地。巨大な岩山の側に、大きな黄金の「ムルガン神」像が立ち、色鮮やかなヒンズーの神々が飾られた門の向こうには洞窟までの272段もある階段が待っている。制服姿の学生の中には、スカートの丈が短いためショールを借りなければならない女子もいて、宗教上のしきたりを学ぶ場にもなった。見上げるような階段の途中で、観光客の荷物を狙う猿に注意をしながら上りきると、そこは息を呑むような巨大で神秘的な鍾乳洞。毎年1月下旬から2月上旬に、ヒンズー教最大の祭り「タイプーサム」が行なわれるという洞窟の訪問は、高校生達にとって新鮮な体験になった。

興味深いJICA園山さんの話にいろいろと質問も飛ぶ
JICAマレーシア事務所の前で記念写真
巨大な黄金のムルガン神。272段もある階段を前に張り切る一同
ヒンズーの神々が飾られた門をくぐって、上を目指す
階段の上には、巨大な鍾乳洞が広がる
長い階段を上り終えてホッと一息