派遣高校生レポート

「笑顔があってこその成長国 マレーシア」

松戸市立松戸高等学校 3年
梶原 航平

初めに、「千葉県高校生マレーシア研修」を主催したマレーシア政府観光局の皆様、森田県知事をはじめとする県職員の皆様、関係各所の皆様、現地にてお会いした全ての方々、共に充実した1週間を過ごした仲間達に感謝の意を示したい。「Terima kashi banyak。」
 さて、本研修を通じて私は「日本にあってマレーシアにない物、マレーシアにあって日本にない物。」を学んだ。特に学んだ「言語」「教育」「宗教」に分けて紹介したい。

【言語】

首相官邸の前で

マレーシアでは、国語としてマレーシア語を使用している。公用語としては、英語が主流であり多くの国民が流暢に使いこなしていた。多民族国家マレーシアには、多くの民族もおり、各民族の言語も合わせるとマレーシアはマルチリンガルな国といって間違いない。町では、英語とマレーシア語が混在した会話や言語の切り替えの早さなどといった言語に対しての柔軟性の高さに驚かされた。
 つたないマレーシア語を話そうとすると、多くの人達はニコニコしながら私をみて、言葉を聞きもらさないように耳を傾けてくれた。 これは世界共通ではあるが、自国の言葉を話してくれるとみんな嬉しそうにしている。これは、私個人の意見であるが、マレーシア語には人を笑顔にさせる効果があるように感じた。マレーシア語は、欧米や中国系の言葉とは違って固い音を出す発音が少なく、丸まった非常に可愛らしい発音が沢山あったことが、そう感じさせた一因であると考える。マレーシア語には、日本語のような敬語等の身分に合わせて使う言葉はなかった。一方、マレーシア語の他言語への柔軟性が日本語にはないと感じた。

【教育】

宿泊した大学ホテルにいて

研修に参加する前までに、高校生団体が主催する教育関連の会議に参加した経験からマレーシアでの教育事情や日本に関する教育はどの様なものなのか興味があり、現地にて多くの人達と意見を交わしてきた。マレーシアの教育は、植民地時代の名残からイギリスに近い形を採用しており、日本にはない教育の形があり驚いた。次のステップに進むための試験があり、その結果からどこの高校に進むかが国によって決められそこで学ぶ。私達は現地校にて1日体験をしてきたが、そこは試験で選ばれた成績優秀な理系の生徒であった。現地生は「試験で良い成績を残して、最高の学びが出来る学校に行く。勉強して、もっといろんなことを知りたい。」と話してくれた。マレーシアの教育は、学生の学びたいという気持ちに良い刺激を与えていることが判った。

オープンハウスにいた美女たちと

マレーシアは、国の政策として「東方政策(Look East Policy)」をマハティール元首相時代より取っており、日本から学ぶことの大切さを国が中心となって取り組んでいる数少ない国であることも現地の方々の話から判った。実際、ホストファザーもこの政策を利用し日本留学をしていた。ホストファミリーと行った、ラマダン明けのオープンハウスでも日本留学者は沢山いた。現地校には、日本語の授業があり上級生の日本語は私達となんら変わらなかった。マレーシアには、日本教育に関する教育が盛んに行われていたが、日本でのマレーシアに関する教育が少ないことを痛感した。

【宗教】

サイド会長のお店にて

マレーシアは、東・東南アジア圏でも数少ないイスラム教の国である。食べてはいけないものがあり、ハラールの認定を受けたものしか食することができないことが、その代表例である。日本人で言うところのめったにしない座禅をしたり経典を読んだりすることが日常的に礼拝という形でマレーシアでは行われている。礼拝所で実際に礼拝を拝見したが、教えに従っておのおのが礼拝する姿には宗教としての礼拝ではなく、生活の一部としての礼拝といったように感じた。小さな子供もしっかり礼拝している姿には、見習うべきところがあると強く感じた。

ホストファミリーと

イスラム教の一面が強いと感じていたマレーシアでは若者を中心にイスラム教に対する考えがルーズになってきていると聞いた。その理由として、情報化やグローバル化にあり、もっと楽に過ごしたい、ファッションを楽しみたいなどの外見的にルーズになっていた。しかし、内面的にはルーズにならず心のよりどころの様な存在だと現地の方々の話から感じた。マレーシアには、宗教あってこその生活。日本にはない生活であった。

以上の他にも学んだことは数えきれないほどあり、感動したこと、驚いたこと、様々である。この研修は、自分の五感を最大限まで活用でき、知識見聞を広げられた意味のある研修であった。私達の価値観は変わり、国際人としての資質も大いに磨けたと確信している。

現地校のパートナーと

今後、経験を生かし日本とマレーシア、いつかはASEANにあった言語や宗教の壁を取り払えるアジアのグローバル化社会を創造するべく、私なりに努力したい。

最後に、本研修に参加するにあたり読んだ、尊敬するマハティール元首相の書籍の題名にもなっている言葉を、これから、日本や千葉県、国際社会を動かしてゆく人へ送りたい。

「立ち上がれ日本人」



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