派遣高校生レポート

「Terima kasih Malaysia」

千葉県立成田国際高校 3年
木村 織衣

この派遣事業に参加し、現地の人と直接触れ合うことでたくさんの事を学び、五感で感じ吸収して帰って来た。そのなかでも印象に残った事についてまとめる。

オープンハウスにて

まずマレーシアに着いてすぐに、パームのヤシの木の多さに驚いた。左を見ても右をみてもパームヤシだらけ。それらはプランテーションで、国をあげてパームヤシを産業資源にしようとしているらしい。次に驚いたのは、工事の多さである。2020年までに先進国入りを目指しているだけあって、本当にいたるところで工事がされていた。だが、東南アジア屈指の近代都市といわれているクアラルンプールも、ただ近代的なきれいな都市に、つくりあげられているというわけではなく、多くの木が植えられていて、自然を大切にしている姿に魅力を感じた。私のホストファミリーの家には、たくさんの種類のフルーツの木が生えていて、それらを大事な食料としていた。道路沿いにも、たくさんのフルーツの木が生えていて、自然とのハーモニーを成し遂げているなと感じた。

お母さんの弟の家にて

私のホストファミリーは、マレー系でイスラム教の家庭だった。私がマレーシアに行った時期は断食明けの約一ヶ月間行う“オープンハウス”というお祭りの時期で、一日に何件もの家を回ってご飯をご馳走になる時期だった。近所に住む人や親戚など、様々な民族や宗教の人々が集まって、仲良く食事をしていた。私がオープンハウスをやっている家に行くと、様々な人が積極的に声をかけに来てくれた。会ってすぐに連絡先を聞かれることもあった。そんなフレンドリーな人々で溢れた国だった。マレーシアの人々はいつも目があっただけで、満面の笑みを向けてくれる、とても暖かい人々であり、人との繋がりをとても大切にしているように感じた。

マレーシアは主にマレー系、中華系、インド系の人々が暮らし、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教などの宗教を持つ人々で構成されている国だ。

ホストファミリーと
 マレーシアの街中には、様々な宗教の礼拝場や、様々な文化を取り入れた建築様式が混在しており、景色から文化と宗教のハーモニーを感じることができた。イスラム教の人々は豚肉を食べる事を禁止とされているが、彼らは隣で豚肉を食べている人がいても嫌な顔一つせず、逆に異なった文化をもつ人々にも積極的に話しかけ、理解しようという意思を感じた。私がステイした家の近くの学校の制服は民族衣装だった。また、日常生活でも民族衣装を着ている人が多くいた。そのようなところから、マレーシアの人々の自分たちの文化や伝統を、大切にしようという気持ちがうかがえた。彼らは自分と異なった宗教をよく理解し尊重しつつ、自分の宗教を大切にしていた。私のホストマザーはマレー系だったが、以前中国語を習っていたらしく、そのようなところからも、マレーシアの人々の違う民族との深い関係性を感じとる事ができた。マレーシアが多民族、多宗教の国家であるのに、平和である秘訣がわかったような気がした。

現地の高校にて

今世界では異なった宗教間の争いが絶えない。なので、私は宗教に対してあまりいいイメージを持っていなかった。また、世界のほとんどの人々が宗教を中心に生きていることに疑問を感じていた。ところがイスラム教の家庭にホームステイをした事で自分の考えは変わった。イスラム教の人々は、食べ物や水を与えてくれた事など、私たちからしたらそれらがある事に幸せを感じずに過ごしている事にも、感謝をしてくらしていた。どんなに小さな事でも感謝をしてすごしている彼らは、とても満たされていて、幸せそうに見えた。人々が宗教を中心に暮らすのは、それらが理由ではないかと感じた。

マレーシアから、日本や世界が学ぶべきところは、たくさんあると感じた。だが、日本ではマレーシアという国についてあまり知られていない事を残念に思う。

最高のメンバー
まずは身近な人々に伝えていく事で、マレーシアという国が広く知られていく事に貢献したい。また、この貴重な経験を生かして、様々な文化を持った人に広く対応できるキャビンアテンダントになりたいと思う。一週間を共にすごした9人と、私たちを支えてくださった皆様、本当にありがとうございました。



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