派遣高校生レポート
「はじめてのマレーシア」
暁星国際学園高校 2年
中塚 望邑
私はこの千葉県高校生マレーシア派遣事業の参加を通し、たくさんの方々とふれあい、多くのことを実際に見て、聞いて、体験することができ、マレーシアという国に魅了された。
一番印象深かったのは、近代、自然、歴史、多様な文化が自然に共生している独特の雰囲気だ。2020年までに先進国入りを目指しているマレーシアの都市部は、高層ビルが立ち並び、交通量もかなり多く、東京にいる感覚に近いと感じた。町を歩いてみると、大勢の海外からの観光客で溢れていて、一瞬自分がどこの国にいるのか考えてしまうほどだった。一方、都市を外れると、ヤシ油の原料となるヤシの木畑が一面に広がっていて、ヤギや牛を飼っている家庭も多く見られた。そして、夜には綺麗なホタルのイルミネーションが見られるほど自然が豊かで美しかった。また、私がホームステイ先で滞在したマラッカは、16世紀以降にポルトガル、オランダ、そしてイギリスの植民地として支配されていた頃もあり、当時の建物や大砲などがそのまま残されていて、歴史を感じることができた。
多様な民族や宗教の共存のカギについてもたくさん学ぶことができた。私は街の至るところに「1」のシンボルが掲げられていることに気がついた。ホストファミリーに尋ねてみると、この「1」という数字には、3つの文化が混じっているマレーシアを「1つ」にという願いが込められているそうだ。マレーシアには、マレー系、中国系、インド系の人々が住み、イスラム教、ヒンドゥー教、キリスト教、仏教が混在し、それぞれの国や宗教に関連する祝日はマレーシア国民全体の“国の祝日”として統一されていたり、中国式やインド式のモスクも建てられている。また、マレー語、英語、中国語の看板表示などがあることも知り、国民が常にお互いを尊重し、理解しようと努力している姿に感動を覚えた。同時に、現在も世界のどこかで絶えることなく起きている宗教の対立をおもい、やるせない気持ちでいっぱいになった。
現地の中高生、ホストファミリー、ガイドさんとの交流を通し、マレーシア人の勤勉さにも驚かされ、私たち日本人も負けていられないと思った。マレーシアには、低収入家庭の成績優秀者の人々を経済面で支援する制度がある。私たちと交流した女子中高生のほとんどの方々は、小学生の頃からエリート(医者や研究者など世の中に貢献できる職業に就く)になることを目指して、毎日勉強に励んでいる。また、多民族国家のマレーシアは、幼いころからの英語習得にも強化しており、多くの人が母国語と同じくらい英語を話すことができる。今回私はすべて英語を使って会話を楽しむことができ、コミュニケーションも上手く図れ、そのことが自分への自信にも繋がった。
このほかに、初めてマレーシアの伝統的な料理、衣装、舞踊、遊びなどに直接触れ、ますますアジアへの関心が深まった。これからは、マレーシアの魅力を人々に伝えていくと同時に、もっとアジアに目を向けていきたい。そして、今回の経験やこれから学んでいくことを、自分の夢であるアジアを舞台にして働くキャビンアテンダントになり、その業務に活かしたいと思う。
最後に、今回関わってくださった皆様に心より感謝申し上げます。
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(氏名五十音順/敬称略)