派遣高校生レポート
マレーシアで過ごした一週間
東京学館浦安高等学校
前田 侑香
私はこの事業に参加するまでマレーシアのことを全く知りませんでした。海外に興味があるものの、アジアよりヨーロッパの文化を好んでいたからです。しかし、出発するまでの間、マレーシアの紹介番組を見て、教科書にあるマレーシアの文字を見つけ、事前学習でマレーシアに関する知識が増えるにつれ、ワクワクして出国が待ちきれませんでした。到着後、目で見てすぐわかったことは多民族国家だということです。バスに乗り、街の景色を見ると看板にはマレー語、中国語、インド語など様々な言語がありました。建物は、それぞれの宗教の寺院があり、それもまた多民族を象徴していました。
街を歩くと様々な人種がいて、ヨーロッパや日本人もいたので世界の人々がマレーシアという一つの国に存在し、まるで小さな世界のようでした。しかし、なぜこんなにも多くの民族がいて対立が起こらないのでしょうか。それはお互いを尊重しあいながらある程度の距離を保ち、干渉しないという昔からの態勢があるからだと日本大使館を訪れた際に学びました。過去に一度大きな対立があったり、静かな衝突もありますが、歴史をつなぎ、上手くバランスをとっているのだと教えてもらいました。
マレーシアに滞在し、人々の温かさも感じることができました。それは現地校とホームステイの時に強く思いました。私は中国系の家庭にステイしたのですが、日本に大変興味・関心を持ってくれていて、日本の雑誌、ドラマ、ディズニーランドや四季についてなど長時間楽しそうに聞いてくれました。マザーや子どもたちも旅行写真を見せてくれたりとすぐに打ち解けることができました。また、お土産として渡した折り紙の本はすでに持っていて、百円ショップやセブンイレブンも街の中で何回も見かけたし、親日であることが伺えて、日本をそんなにも知ってくれていることに喜びを感じました。
対して日本は、マレーシアへの関心は低く、東南アジアの一部であろうくらいの認識にすぎないと思います。それは非常に残念なことで、今回をきっかけに現状を知った私たちがマレーシアの魅力を少しでも多くの人に伝えていきたいと思いました。ステイ先で現地の人と同じ生活をすることで同じ視点に立って物事を考えられた気がします。それと同時に、アジアという同じ地域でも異なる生活、考え方を持っているのにおもしろみを感じました。
一週間を通して、マレーシアに対する発展途上というイメージは大きく変わりました。大きなショッピングセンター、クアラルンプールの名所であるツインタワー、街の至る所にあるイルミネーションや建設途中の建物も多く見られました。マレーシアは、まだ日本のように発展していないけれど、カンボジアなどの発展途上国が日本のように先進している国を目指す経過の国として大切な役割を果たしているのだと思いました。そして、マレーシアにいて英語の必要性を改めて感じました。現地の人々は最低2ヶ国語を使うことができます。それは多民族であるがゆえに、異なる言語を使う人とのコミュニケーションツールとして英語を使うからでしょう。
しかし、そのような背景のない日本では、日本語が話せればそれで生活ができてしまいます。だからこそ、自分から積極性を持って英語を学ばなければいけません。マレーシアへ行くことで、英語を日常会話として使用し、自分の英語力の向上に勉めなければと思いました。滞在中は好奇心にあふれ、常にマレーシアでしか感じられない事を経験し、多くの事を学び、大変充実した一週間を過ごすことができました。それと同時に、海外へ行き再認識するのは日本の素晴らしさです。
日本の技術、食文化の良さなどを海外へ発信すると共に、これからもっと海外に足を運び、現地で体験したことを日本にも伝えたいです。マレーシアという場所さえ知らなかった国がこんなにも身近になり、故郷のように思えるようになったのは、この事業に関わって下さったマレーシア政府観光局、エアアジアの方々、マレーシアで出会ったすべての人々、そして縁があって出会った大切な9人の仲間のおかげです。とても感謝しています。本当にありがとうございました。