派遣高校生レポート

融和する多民族国家

千葉県立九十九里高等学校
石井 沙季

「千葉県高校生マレーシア派遣事業」に参加し、多くの友人とたくさんの知識・経験を手に入れることができました。とくに印象に残った3点を中心に感想をまとめます。

・コミュニケーション英語

私がマレーシアでまず感じたことが、コミュニケーション力の差です。同じように第二言語として英語を学んでいるマレーシアの高校生と、私の能力の違いを痛切に感じました。このような違いが生じる理由を考えてみました。

日本は島国で、日常の中で外国の方と英語で会話をする機会がほとんどありません。ですが、マレーシアでは、外国は陸続きのすぐ隣の国です。多民族国家ということもあり、さまざまな国の人が暮らしています。そのため、英語を日常的に使っているので、コミュニケーション力に差が生じると考えました。国際社会でコミュニケーションをとる手段として、英語は大切です。今後、英語を学ぶ上での課題はコミュニケーション能力の向上だと確信しました。

国際的な広い視野を持つためには、相互の文化を理解し尊重する姿勢が必要です。マレーシアでは、英語を通して皆の心がつながりあっていました。日本人が学ぶべき点だと感じました。

・宗教

マレーシアはイスラム教が国教ですが、仏教・ヒンズー教・キリスト教を信仰する人もいます。それぞれ信仰する神様や禁止されていること、戒律が違うにもかかわらず、マレーシアの人々は皆が仲良く暮らしていました。

私が一番驚いたことは、中国やインドやマレー系の人だけでなく、いろいろな国の人が同じ学校で共に勉強していたことです。マレーシアの多民族性を改めて感じました。皆が一つとなって時間と空間を共有していて日本では味わえない、貴重な体験ができました。信じるものが違っても、互いの宗教を理解し、自分の意思や考えをしっかり持っているため、大きな争いごとが起こらないのでしょう。他者を許容する懐の大きさを感じました。

・食文化

マレーシアには主にマレー料理・インド料理・ニョニャ料理・中華料理の四つがあります。マレー料理は比較的辛いものが多く、飲み物は甘い物が多いです。また、ココナッツミルクを使った料理が多かったです。私はココナッツミルクは飲み物だと思っていました。しかし、マレーシアの人は調味料として使います。マレーシアの人達はドリアンが大好物で、日本とマレーシアの味覚や好みの違いを感じました。

・まとめ

「文化の違い」とよく言います。しかし、今回の研修を通して、その違いを実感することができ、とても貴重な経験となりました。また、私にとって何よりも有意義だったことは、なぜそのような違いが生まれたのかを具体的に考える機会があったことです。思考し、意見を交換しあい、理解して、さらに将来の自分の行動に反映させていくことができる研修となりました。