派遣生レポート

LMPに参加して

成蹊大学 経済学部 経済経営学科
我妻 薫

今回私がルックマレーシアプログラムに参加した主な目的として多民族や多文化が共生しているマレーシアを自分の目で実際に見てみたいと思ったからです。違う文化をもち違う言語を母語とする民族が一つの国でマレーシア人としてどのように生活しているのかに興味を持ちこのプログラムに応募することを決めました。3週間のマレーシアでの滞在中私は日本とは違う様々な文化に触れることができ、また中華系、マレー系、インド系そのほかの方々と知り合い交流することが出来ました。3週間の中で特に自分の印象に残ったことを取り上げました。

食事を通して体験したマレーシアの多文化

大学での昼休みにマレー系マレーシア人、中華系マレーシア人二名そして私たち日本人二名で地元の屋台に食事にいく機会がありました。中華系のマレーシア人の友人はスプーンとフォークで使用します。マレー系マレーシア人の友人は右手のみを使い食事をします。最初友人は日本人の私たちにはスプーンとフォークを差し出してくれましたがせっかくの機会なので手で食べるスタイルに挑戦してみました。最初は指で適量のご飯をスムーズに口に運ぶのが難しく感じましたがすぐに慣れました。同じテーブルで食事をする人がそれぞれの方法で食べる光景は日本ではなかなか目にすることがないですがこれも多文化を簡単に表した場面であり今まで知識として知っていた「右手のみで食べる」という文化を初めて自分で体験したという点で一つの異文化理解だと思いました。

多民族国家のマレーシアでは各民族の伝統的料理をはじめ本当にいろいろな料理を楽しめました。マレーの伝統的な料理の中で私が一番気に入ったのはナシレマ(nasi remak)です。ココナッツで炊いたご飯と甘辛いみそ、目玉焼きにフライドチキンなどがワンプレートに乗っています。朝食にはインド系マレー料理のロティチャナイ(roti canai)をよく食べていました。薄いクレープのようでもちもちとしている生地をカレーにつけながら食べるこの料理とコンデンスミルク入りの甘い紅茶のテタリ(teh tarik)の組み合わせはとてもポピュラーで多くの人が食べているのを目にしました。夕飯を食べにナイトマーケットに出かけると中華系の屋台が多く立ち並んでいました。仏教徒で中華系のマレー人は豚肉を食べるため、豚肉を漢方のスープで煮込んだ肉骨茶(バクテー)などがありました。また、中国料理とマレー料理の融合したニョニャ料理が私は気に入りました。二つの文化が合わさってできたこの料理は見た目が中華風で味はココナッツやスパイスが効いていてマレー風です。かつて貿易の中心地でありさまざまな民族が訪れたマラッカで誕生したニョニャ料理は中華系らしさとマレー系らしさをうまく組み合わせていて多民族国家であるマレーシアならではの料理の一つだと思いました。

建物から感じた多文化、多民族のマレーシア

クアラルンプールを観光した際に国立モスクとプトラモスクを訪れました。日本ではあまり見る事がないイスラム建築は細かな模様と大きなドームが印象に残りました。またチャイナタウンでは関帝廟、ヒンドゥー教寺院のスリ・マハ・マリアマン寺院があり少し街を散策するだけでそれぞれ特色ある建物を訪れることが可能でした。マラッカではプロテスタント教会であるキリスト教会や、セント・ポール教会がありマレーシアではそれぞれの民族がそれぞれの宗教を信仰しているという事実を感じることができました。自分とは違う文化や信仰をもつ人の存在をお互いに認めあい、干渉しすぎず程よい距離感を保っているような印象をうけました。

人々との交流を通して感じた多民族国家のマレーシア

二週間の大学生活の間にマレーシアの学生と交流する機会が多くありました。大学で出会った学生はみんな最低2カ国語話せます。日本では「英語がはなせますか? 中国語が話せますか?」という聞き方はされますが「何カ国語話せますか?」という質問はあまり聞かないとおもいます。マレーシアの人達はバイリンガル、トリリンガルが普通なので私たちと話すときも「あなたはいくつの言葉が話せるの?」と聞いてきました。この質問は公用語であるマレー語と自身の民族の言葉を使いこなす彼らにとっては複数の言葉を話すということはごく当たり前のことなのだと気付かされました。日本語クラスを受講していた中華系のマレー人の友人は中華系の人々同士で話すときは北京語か広東語を使いマレー系の友人と話すときや買い物などはマレー語を使い私たちと話すときは英語か習い途中の日本語を使っていました。

コミュニケーションをとるために言葉を相手にあわせ柔軟に変化させていく彼らの様子が印象に残ったとともに将来世界に日本人や日本企業が進出していくにあたって語学を意思疎通のためのツールとして自由に使いこなせないといけない重要性を感じました。また自分と異なる民族にとても親切な点もマレーシアの人々が多文化、多民族国家のなかで生活してきたからではないかと思いました。私たち日本人のために車でナイトマーケットに連れて行ってくれたりムーンケーキなどのお菓子をくれたり休日も街を案内してくれました。日本のことについて興味をもちたくさん質問をしてくれ、マレーシアのことについては詳しく説明してくれる。批判や優劣をつけるのではなく「違う」ということをそのまま受け入れその「違い」を楽しんでいてお互いの慣習や信仰を尊重するという考え方がマレーシアの人々には根付いていると感じました。

三週間を通して

今回のルックマレーシアプログラムに参加する以前はぼんやりとしたマレーシアの印象しかありませんでした。しかし、実際に行ってみると服装や肌の色、顔立ちからほんとうに様々な人がいます。各民族が自分たちの文化を維持しつつ文化が混ざりあう点もありつつ、また他の国からの影響も受けていて一口に「マレーシア」といってもいろいろな側面がありました。これからの時代もっと人や情報の流れが活発になると思います。日本にもさらに他の国の影響が入ると思います。そんな時に「日本らしさ」をなくさず、しかし異なる文化や民族も寛容に受け入れてゆくことが必要だと感じました。

この三週間でもっと相手や他国のことを知りたいという気持ちが強まりました。マレーシアは同じアジアの国でも日本とまったく雰囲気が違うことが面白く、マレーシアの友人たちからみた日本のイメージや日本人に対するイメージなどを聞き初めて気付かされることなどもありました。また、マレーシアの学生が日本に興味をもっていて訪れたいと思っていることを聞き嬉しくおもいました。実際に海外に出て初めて理解する日本のこと外国のことが多くあると思うのでこれからも学び続ける姿勢をもち異文化理解と交流を積極的に行っていきたいと思います。

ここまで読んで頂きありがとうございます、少しでもこのプログラムで私が感じたことが伝えられたら幸いです。最後に、マレーシア政府観光局の皆様、エアアジアX 日本支社長の坪川さん、マレーシアでお世話になったたくさんの方々ほんとうにありがとうございました。